生食用食肉の規格基準について
概要
平成23年10月1日から、生食用食肉(生食用として販売される牛の食肉(内臓を除く。))について、食品衛生法に基づく「規格基準」が定められました。
これらは、平成23年に焼肉チェーン店で提供された牛ユッケなどの牛肉を生食したことが原因と考えられる腸管出血性大腸菌による食中毒事件が発生したことを受けて、消費者庁及び厚生労働省が設定したものです。
生食用食肉の規格基準の主な内容
1.対象
生食用食肉として販売される牛の食肉(内臓を除く。)
(例)牛ユッケ、牛タタキ、牛タルタルステーキ、牛刺しなど
2.成分規格
・腸内細菌科菌群が陰性であること
・陰性確認の検査記録を1年間保存すること
3.設備及び器具
他の設備と明確に区分され、器具及び手指の洗浄及び消毒に必要な専用の設備を備えた衛生的な場所で、清潔で衛生的かつ洗浄及び消毒の容易な不浸透性の材質の、専用の器具を用いること。
4.加工方法
枝肉から衛生的に切り出された肉塊を、速やかに気密性のある容器包装に入れ、密封し、肉塊の表面から深さ1cm以上の部分までを60℃で2分間以上加熱する方法又はこれと同等以上の方法で加熱殺菌後、速やかに4℃以下に冷却すること。
など
生食衛生加工マニュアルの作成
お客様の食品に対する第一の関心事は「安全・安心」です。
私どもの食肉小売店や企業も健康に良い、美味しい食肉を衛生的にお客様に提供することが第一の使命となっております。
しかし、厚生労働省の規格基準のみでは、食肉加工業者が生食用牛肉の加工に取り組むには難解であり、加工現場ではどのようにしたら良いか手をこまねいている様子が見られました。
そこで、当連合会(全国食肉事業協同組合連合会)では、各関係団体や専門家の意見を聞き、試験機関に依頼して実験等を行い、食肉加工現場の実情にあった「生食衛生加工マニュアル」を発行しております。
生食用牛肉販売の現状について
厚生労働省の規格基準が定められたことで、生食用食肉製品(ユッケやタタキなど)の取扱店や製造数は減少してしまっている現状ですが、未だに人気があり根強く愛されている商品でもあります。
そのような背景もあり、「生食衛生加工マニュアル」等を参考にして、所管する保健所から「営業許可」を受け、生食用食肉製品の販売を継続して行っている店舗は数多くあります。
また、当連合会としても、独立行政法人農畜産業振興機構から平成26年度・平成27年度に助成をいただいた「生食用牛肉等提供体制緊急構築事業」において、事業者の生食用食肉製品の製造を支援させていただいたところであり、今後も引き続き、安心・安全な生食用食肉販売の手助けができるよう活動していく所存であります。
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